司法取引のメリットとデメリット!日本ではどのように浸透するか?

コラム

司法取引のメリットとはなにか、日本では欧米のようにまだ浸透していないため詳しい知識を持っている人は少ないですよね。

日本で導入された司法取引、今後どのように日本で浸透していくのかメリットとデメリットについて詳しくご説明したいと思います。

あまり縁がないからわからないという人がほとんどですが、近年犯罪はどこで起こるかわかりません。自分と周辺の人たちが加害者になるか被害者になるかは不透明な部分が色々ありますよね。

では、司法取引のメリットについて日本での今後の存在について見ていきましょう。

 

司法取引とはなに?

司法取引とはなに?

司法取引とはなに?

司法取引と聞くとアメリカの犯罪ドラマや映画をまずイメージしませんか。日本は平和な国、というのは一昔前のこと。凶悪な犯罪がいつどこで起こるかわからない不安は皆さん抱いていることでしょう。

そもそも司法取引制度というのは、法改正により平成30年度6月より施行され、捜査や公判で被疑者の取り調べと供述調書の過度な依存を改める目的があります。

簡単に説明すると、犯罪を本人以外の他人が明かしその見返りとして容疑者や被告の刑事処分を軽減するもの。司法取引は大きく分けると以下の2種類があります。

 

・自己負罪型 

アメリカで主に実施されている司法取引で、被告や容疑者が自分の犯罪を認めて刑罰が軽減されるもの

 

・操作公判強力型 

他人の犯罪に関する捜査機関への情報提供

 

アメリカの司法取引との違いについて

アメリカの司法取引との違いについて

アメリカの司法取引との違いについて

日本で導入された司法取引は、アメリカですでに実施されているものとは異なる点があります。主な違いとなるのは以下の3点。

 

  • ・他人の刑事事件と関連性がある
  • ・特定の犯罪に限定している
  • ・協議、合意の過程に弁護人の立ち合いが義務化されている

 

少し説明を加えますと、ひとつめの他人の刑事事件というのは被疑者や被告人の共犯者の存在になる人で、法人の場合も「他人」と表現される一部に含まれます。

日本の司法取引のメリットになるのは、対象が経済犯罪と暴力団などの組織犯罪とはっきりしたターゲットがあること。

政府が閣議決定した政令で贈収賄や薬物銃器犯罪、脱税で金融取引法などに関連した犯罪が対象になりますので、性犯罪や殺人などは対象外になります。

 

日本で起こる司法取引の例について

日本で起こる司法取引の例について

日本で起こる司法取引の例について

日本の司法取引は、欧米とは異なり特定の犯罪に限定されていますので、すぐには浸透しない可能性も一部の意見としてあるようです。ちょっとわかりにくい日本での司法取引、一例をあげてみていきましょう。

 

近年とても被害者が増えているオレオレ詐欺。たとえば実行犯として高齢者に直接電話をかけてお金を請求した犯人が摘発されるケース。実行犯は暴力団の特殊詐欺事件の容疑で逮捕、検査官から暴力団の大元について話すなら刑罰を軽くすと交渉され、逮捕された実行犯が暴力団の関与について話し司法取引に合意。検察官は暴力団の指示役を起訴する代わりに実行犯を不起訴とする司法取引を行うケースです。

 

司法取引が導入されるまでの日本では刑事司法は犯した罪にあった刑罰を科すことが重要視されていました。司法取引導入後は捜査機関に新たな証拠収集のチャンスを与えるもので捜査や公判の大きな転換になるでしょう。

 

司法取引のメリットについて

司法取引のメリットについて

司法取引のメリットについて

司法取引の導入は今後の日本にどのようなメリットがあるのか、主なポイントを見ていきましょう。

 

・捜査費用が節約できる

解決が難しい事件は、膨大な捜査人員が必要になり費用が膨れ上がります。解決までに時間を要する事件には検察官や警察官などの公務員の人件費がかかり、元をたどれば国民の税金が使われていることになりますよね。司法取引はこのような捜査費用や裁判費用の節約なるメリットがあります。

 

・真相解明につながる

被疑者から真実を引き出すチャンスになり、真相解明がスムーズになります。高齢化が進む今の世の中、高齢者をターゲットにした犯罪が増加。

オレオレ詐欺、振り込め詐欺は組織的に行われていますので、このようなバックグラウンドがある犯罪の場合、首謀者を明らかにするメリットが司法取引にはあるのです。小さな魚を釣り、それを餌にして大きな魚を釣り上げることが可能になるでしょう。

 

デメリットはあるのか?

司法取引のデメリットはあるのか?

司法取引のデメリットはあるのか?

司法取引で難解な事件が解決され、犯罪組織のトップが捕まるなど色々なメリットが期待されています。しかし導入されたばかりの日本の司法取引、手放しで喜べない点もあるようです。

 

・冤罪が増える可能性

司法取引は逮捕者からの証言で犯人を捕まえる流れがありますが、非常に冤罪を引き起こす可能性が高い制度であることも忘れてはいけません。たとえば逮捕された人が自分に課せられる重罰を避けようと司法取引を行い、全く関係の人を巻き込む可能性や罪が軽い人にさらに罪を増やすための、うその証言をする可能性があります。

 

・利害関係が生まれやすい

捜査機関はできるだけスピーディーに捜査を進めたいと考え、被告人や被疑者の特典を期待して虚偽供述をするリスクが高くなります。利害関係がさらに生まれやすくなることを懸念する人は多いでしょう。

 

・減免行為と協力行為のバランスが難しい 

司法取引が頻繁に行われているアメリカでは、量刑のガイドラインがあり量刑の予測ができますが、日本の場合は導入されたばかりで基準がないため、検察官と司法取引をしてもそれが自分にとってメリットかデメリットが判断しにくい点が問題になるでしょう。

捜査機関は、必要な情報を手に入れ多大な利益を獲得できるかもしれませんが、情報を提供した人が必ずしも利益になるとは限らず、将来的に仕返しをされる恐怖だけが残ってしまう場合もあるかもしれません。

 

まとめ

司法取引はメリットだけでなくデメリットもありますので、今後日本でどのように浸透されていくのか大変注目されています。

日本の刑事裁判での有罪率は99%近くといわれていますので、逮捕、起訴された人にとっては刑罰を軽くできるチャンスかもしれません。しかし今後の課題は山積みで冤罪、虚偽の告白、黙秘権の侵害などどのように理解して司法取引を進めていくのか高いハードルがあります。

欧米のように司法取引が一般的に浸透するまでは時間がかかるともいわれ、日本での捜査方法に少しでもメリットとなるように、司法取引が行われるといいですね。 

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